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2015
04.21

景観が不動産におよぼすもの

Category: ニュース

 日本経済新聞web版2014年1月14日の記事「建築、新旧同居が粋(今ニッポン流)」によると、明治から昭和初期の歴史的建造物と最新鋭の高層建築を融合させ、日本的な景観を残しつつ最新鋭の構造を兼ね備えた建築コンセプトが、東京を中心に広がっています。



景観が不動産におよぼすもの 
(イメージ画像)



 2013年春、銀座(東京都中央区)に建て替えられた「歌舞伎座」では、その建て替え計画の課題として、「背後にはひときわ目立つ29階建てのオフィスビルがそびえ、桃山調の歌舞伎座とどう合わせるか」に頭を悩ませたそうです。それでも高層タワーにした理由は、歌舞伎の興行を維持するためには、賃貸収入を見込める建物がどうしても必要だったとのことです。

 また、以前は老朽化に伴い頻繁に雨漏りしていたそうですが、シンボルとも言える唐破風の屋根の風情を残しながら、最先端の防水技術を施して問題を解消しました。海外からの多くの観光客が訪れることもあり、新生歌舞伎座を見たあるアメリカ人観光客は、「ビューティフル!ビル街の真ん中にいきなり神社ができたみたい。とても日本的で面白いわね」と感嘆の声を上げていました。




 景観を生かそうとする考え方の視点を変え、「眺望」をコンセプトにした不動産がちょっとした話題となっています。東京都渋谷区代々木の某賃貸マンションは、明治神宮の豊かな杜と隣接しており、自宅の庭のごとく、窓からその壮大な杜を「借景」できるステイタスビューを売りにしています。築年数は43年を経過していますが、これこそは「立地・眺望・交通便良」の物件と言えるでしょう。




 宮城県仙台市太白区の某分譲マンションの場合は、約14,000平方メートルにもおよぶ遺跡の発掘跡地兼博物館が南側に隣接していて、将来に渡り日当たりを遮ることがなく、杜の都の眺望を心おきなく満喫できる環境となっています。このような遺跡に隣接する立地は全国的にも珍しく、築後9年経過しても中古で売りに出ることはほとんどなく、出ても「瞬決」なのだそうです。




 オフィスでも同様の考え方を形にした事例があります。大阪市都島区の某オフィスビルでは、なんと大阪城の天守閣が室内から一望できるのです。それは景色の一部としてではなく、大阪城の全景が大きな窓に映し出された感があるほどの眺めになっています。設計者は依頼主の「大阪城天守閣の眺望を最大限取り込む」という要望を満たすべく、数々の障害を乗り越え完成させました。




 不動産の価値は「客観的な評価」で判断されてきましたが、「主観的要素」である景観や眺望も「そこにしかない価値」として取り込んでいくべきなのでしょう。


 
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