FC2ブログ
2015
04.16

深刻な職人不足

Category: ニュース

 日本経済新聞web版2014年8月19日の記事「深刻な職人不足 待遇見直しのラストチャンス 建設人材危機」によると、建設・土木業界における職人不足が深刻化しているため、建設コストが押し上げられ、工事が着手できなかったり、前に進まない事態が続出しています。



深刻な職人不足 
(イメージ画像)



 住宅新築工事と旧居の解体工事を某住宅メーカーと契約したAさんのケースでは「着手金を支払ったのに、解体工事の目途さえ全く立たない状態」だそうで、片や住宅新築工事を契約したBさんは「新築工事が中断した翌日に業者が破産していた」という始末です。両方とも人手不足で職人の手配がつかないことが原因となっており、実害が一般消費者にまで及び始めています。




 全国各地の消費生活センターに寄せられる住宅の新築やリフォーム工事に関する相談のなかで、人材不足による工事中止や遅延のトラブルが、2013年以降増加していると報告されています。 寄せられた相談件数は2009年度で605件でしたが、東日本大震災発生後の11年度には2倍以上の1245件に増加しました。

 翌年12年度の件数は若干減少したものの、13年度は1564件まで増加し、14年度も10月20日時点で781件と、昨年同時期の603件と比べて既に約30%も増加しており、2~3月の入転居時期を考慮すると、過去最高の件数を上回る状況となっています。




 首都圏のオフィスビル新築工事を手掛ける大手建設会社でも同様の事態が発生しており、同社の現場担当者は、「毎週、毎月のスパンで施工単価が上がり続けていて、正確な見積もりを出すのは至難の業。契約金額、工期を守るのは不可能。」と、なかば開き直るありさまです。

 テナント募集を担った不動産会社も、「完成時期がわからなければ、テナント様に迷惑を掛けることになる。募集さえできない。」と頭を抱えています。




 これらの問題の背景には、東日本大震災の復興工事や東京五輪関連工事、加えて2014年夏の豪雨被害に伴う建設・土木職の需要増がおもな要因に挙げられ、災害、国策事業が優先される観点から、今すぐ職人不足の改善が見込める状況には無く、工事の中断、遅延トラブルは今後ますます増えていくことが予想されます。




 しかし、別な見方をすると、長年抑えられてきた職人コスト(給料)がこれらの需要増から上昇に転じており、「施工」「創造」を目指す若い人達には、適正な対価で現場経験を体得できるまたとないチャンスと考えることもできます。昔と違い、現在は最新の技法で建物、道路、橋などが施工されており、その専門技法がいまなら目前で学べるわけですから。




 長く低迷していた景気にやや持ち直し感が見られます。減らされ続けてきた職人が、これから必要とされ、なくてはならない尊敬される存在になれば、職人不足も少しずつ解消していくのかも知れません。


 
コメント
管理者にだけ表示を許可する
 
back-to-top