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2015
04.15

ドイツの空き家問題

Category: ニュース

 日本経済新聞web版2014年11月3日の記事「老朽団地を街の中心部に、空き室解消 UR法改正へ」によると、国土交通省は、郊外において高齢化で空室が目立つ団地を統廃合して、街の中心部に住宅を集約できるようにする法整備を進めています。

 これによって、空き家増加の解消につなげるとともに、交通の便が良い立地に住民の住み替えを促進する自治体の取り組みに対するバックアップにつなげようとしています。





ドイツの空き家問題 
(イメージ画像)





 空き家問題は海外でも取り上げられています。ドイツの中心部に位置する都市ライプツィヒでは、90年の東西ドイツの統一後、おもに「西側」の個人や不動産会社が不動産価値の上昇を期待して不動産投資を乱発しました。

 しかし、90年代の経済停滞により不動産市場が崩壊し、物件は放置されてしまいました。もともと状態の悪かった空き家がさらに荒廃し、地域の活気も削がれていく一方でした。

 そんな中、このような放置不動産の所有者となんとか交渉し、暫定的に「空き家を使用することで街並みを維持する」という目標を立ち上げ、整備されたのが、「ハウスプロジェクト」と呼ばれる日本でも注目されつつあるコーポラティブハウスの基になった形態です。




 再生された「空き家の街」を地域の人々に開放することによって、高齢者、移民、低所得者、若者などを集めて文化的なイベントに参加してもらったりする機会を作っています。ここには「みんなで所有して、みんなで使う」という、投機を目的としない不動産マネージメントのあり方が芽生えているのです。

 ハウスプロジェクトは、投機目的の不動産取引を拒む考え方を持った「協同法人組織」に支えられており、不動産によって得られる利益を個人や特定のグループのものとするのではなく、利益を「社会」に還元したり、都市に住むすべての人々がその恩恵を享受できるようにすることを目標にしています。




 日本には現在、ハウスプロジェクトを支える「協同法人組織」のような仕組みはありませんが、ドイツもこのような仕組みは徐々に整備されてきたものです。最近の日本でも、若者を中心にシェアハウス、シェアオフィスの利用が増えてきています。

 しかし一方で空き家や中心市街地の空洞化も社会問題となっています。賃貸のシェアハウスを一歩進展させ、不動産を現物購入して公共に寄与する「みんなで持って、みんなで使う」という視点で不動産を考えていくと、若者が衰退地域に集まり、もう一度魅力ある場所へと再生していく可能性が見えてくるのではないでしょうか。




 21世紀はリサイクル、リユース、リフォーム、リノベーションなど「Re」の時代と言われています。フランス語で「再生」「復活」を意味する言葉は「Renaissance=ルネサンス」です。いま、不動産市場におけるルネサンスが始まっているのかも知れません。


 
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