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2015
04.30

ロンドン不動産バブル

Category: ニュース
 
 日本経済新聞web版2014年11月17日のの記事「中国人富裕層、ロンドンの高級マンション積極購入」によると、中国の大手不動産会社が、英国ロンドンにおいて最高額で4億5千万円の価格を付ける高級マンションを販売したところ、一週間で約半数の住戸の契約が決まるほど人気を博したそうです。

 最近の中国国内不動産市場の低迷から、海外に投資先をシフトする中国人富裕層など中国マネーの矛先が、ロンドンを始めとしたヨーロッパ諸国に向けられています。さらに、中国人富裕層は、世界的ステータスを意識して子供を海外の有名大学に通わせることが多く、ステータスの高いロンドンは特に人気があります。



ロンドン不動産バブル 
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 現在イギリスでは、急激な不動産バブルが起きており、世界各国から投資マネーがロンドンをはじめとする主要都市に流入しています。最新の報告では、ロンドンの一部の地域においてわずか1年間で不動産価格が30%も急騰し、リバプールやマンチェスターも二ケタの上昇率となっています。

 日本でも首都圏を中心にアベノミクス効果による局地的な地価上昇傾向が報告されていますが、イギリス、特にロンドンでは、世界中の富豪・富裕層が「避難」と称して次元の違う不動産取引が行われています。


 このロンドンバブルの最大の要因として、情勢の不安定な国の富裕層が、金に糸目をつけずにロンドンの不動産を物色している現状があります。例えば、イタリアやギリシャの富裕層は、リーマンショック後のサブプライム問題で国が傾いたことから、一時的にロンドンに資金と身柄を「避難」させました。

 また、中東の富豪はもともとロンドンに憧憬があるのだそうですが、2012年以降の「アラブの春」で不安定となった中東や北アフリカの富裕層が、こぞってロンドンへ「避難」しましたし、政治的混乱で金融市場が動揺しているブラジル・アルゼンチン・トルコの富裕層もロンドンへ「避難」、ウクライナ情勢により元々ロンドンを好むロシアや東欧の富裕層がロンドンへ「避難」、なおもこのウクライナの政情不安では、更なる富裕層のロンドン避難が続くとみられています。

 さらに、旧イギリス領のインド、香港、シンガポールなどの富裕層は、「ロンドンこそ我等が都」という観念が根強く、資金を流入させることに積極的です。




 憧れの行き着く先は、世界の中心に居を構えるということでしょうか。




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2015
04.28

賃貸経営

Category: ニュース
 
 日本経済新聞2014年9月3日の記事「サラリーマン大家で副収入 不動産投資の基礎知識」によると、サラリーマンがアパートやワンルームマンションを購入し、家賃収入を得る「収益不動産投資」が話題になっています。昨今、サラリーマン大家が成功した実例が、本やインターネット上で数多く紹介され、特に最近では独身女性の投資事例も出てきています。


賃貸経営 
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 一口に不動産投資と言っても、いろいろな投資形態があります。前述の記事にある「アパート・マンション」は最もポピュラーな形態です。また、アパートは空室だらけでも立地条件が良い場合は、解体して駐車場に利用する方法も考えられるでしょう。

 他にも、オフィスや店舗など事業者向けのものもありますが、この事業者向けでは、古いアパートやペンシルビルなどを購入し、最近流行している「シェアオフィス」や「ギャラリー」などにコンバージョンした事例も出てきています。

 単純な不労所得を狙うのではなく、借りる(使う)側の事情を考えてアイディアや手間を掛け、「物件のみならず、テナントの事業に投資する」という姿勢が、特に商業不動産の投資には必要になって来るのかも知れません。




 ただ、ご存知の通り、不動産投資にはリスクが伴います。代表的のものでは、「空室リスク」、「建物・設備の老朽化リスク」、「家賃滞納リスク」、「借入金利の上昇リスク」などが挙げられます。

 また、現在進行形の「地価下落リスク」によって、出口(売却)価格が下落し、売却したくてもできない問題も懸念されます。さらに、「事件・事故・災害のリスク」も想定しておかなければなりません。最近深刻になっている「少子化リスク」に伴う賃借人不足も避けられない問題です。

 このように、不動産投資には様々なリスクが存在し、その補填には、ケースによって数百~数千万円単位にもおよぶ場合があります。しっかりした専門知識と、不動産会社など信頼できるパートナーが必要不可欠になります。




 「不動産でお金を稼ぎたい」、「お金を稼ぎたいから不動産」。語順を変えただけですが、目的意識の違いがお分かり頂けるでしょうか。





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2015
04.27

自宅から皆宅へ

Category: ニュース
 
 日本経済新聞web版2014年2月21日の記事「待機児童になったら 保育ママ、実家…あらゆる選択肢を」によると、認可保育園の待機児童が問題となるなか、保育ママ(家庭的保育事業)という個人の自宅を開放して家庭の中で乳幼児(主に3歳未満の子供)を預かる制度に注目が集まっています。

 保育ママ制度は、保育士などの資格を持っている人や専門の研修を受講し保育者に認定された人によって、1人に付き3人の子供を預かることができ、補助者が1人付けば5人まで見ることができるという制度です。

 1948年(昭和23年)当時、「昼間里親」という名称で発足したこの制度は、2008年待機児童問題解消を目的とした法律(改正児童福祉法)により、現在の「保育ママ」として再認識されているのです。

 さらに、保育ママになりたくても自宅にスペースがないという人達が、マンションの空き部屋や空き家を共同で借上げて運営する形態も現れました。待機児童対策はもちろん、空き家対策や保育経験者の再雇用にも保育ママ制度は寄与しています。



自宅から皆宅へ 
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 保育ママのほかにも、自宅を開放して様々なお店やサービスを提供しているところが、各地にあります。

 まず、最近すっかり定着した「シェアオフィス」ですが、東京都目黒区に、もともとあった古い木造アパートを、賃貸SOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)部屋5戸と、シェアオフィス1戸、さらに1階には入居者用の食堂を設け、「SOHO&シェアオフィス」へと「リノベーション&コンバージョン」した建物があります。( http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20140909/676365/ )

 入居者なら食堂メニューが半額で、もちろん一般の方の利用もOK、というより、そもそもこの建物のオーナーは地元商店会の会長を務めた経験があり、「地域に貢献する建物にしたい」という意向から、食堂を核にして入居者同士、さらに地域コミュニティーとの交流が生まれる場所にしたいとの願いが込められているのだそうです。




 また、東京都墨田区には自宅の1階部分をリフォームして、ご近所の人々が集える図書館へと生まれ変わったところがあります。リフォームのほとんどをDIYで行ったそうで、壁や本棚など半年掛かりで仕上げたのだとか。不定期で映画の上映や子供読書会、紙芝居などのイベントを行っているそうです。




 人のいるところに仕事あり。仕事の発祥は「人への貢献」だったのかも知れません。



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2015
04.24

コペンハーゲンの街並み

Category: ニュース

 日経BP社の情報サイト“ケンプラッツ”2014年8月18日の記事「通勤を快適にする、港の上の自転車専用道路:コペンハーゲン」によると、デンマークの首都コペンハーゲンに、港の上を快適に走れる高架式自転車専用道路「Cykelslangen」が開通しました。

市民の50%以上の人が自転車通勤というコペンハーゲンでは、港を横断する自転車道・自動車道が慢性的に混雑していました。この「港上高架式自転車専用道路」は、その混雑を緩和する目的で造られました。



コペンハーゲンの街並み 
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 コペンハーゲンではこれまで自転車専用道はじめとする公共事業を強く推し進め、市民の収入の約50%を税金で徴収し事業費に充てることで、公共施設の充実を可能にしてきました。景気が悪くなると、公共事業を行い景気の下支えを行います。公共施設を充実させてきた成果は、富裕層の永住率や、企業誘致数が示しており、市民はその必要性を理解し、実感しています。




 この「Cykelslangen」をはじめ、優れたデザインの都市施設がコペンハーゲンには多く見られます。旧王立劇場Gamle Scene(バレー劇場)、新オペラハウスOperaren(オペラ劇場)、演劇ハウスSkuespilhuset(演劇場)の3劇場は、デンマークを代表する王立の表現芸術場として国民から親しまれています。( http://manabinotabi.com/travel_info/Denmark_Info/2013093000176/ )

特に、デンマーク語の演劇のみを開催する Skuespilhusetは、デンマーク国民だけの施設にしないために、劇場への案内道から眺める景色、ガラス張りの壮麗な概観、移動式のバー・カウンターが出せる木製テラスなど、来る人を楽しませる様々な工夫がなされ、みんなに来て欲しい、この場を好きになって欲しいという願いが込められた芸術施設なのです。




 次はホテルです。2010年の夏、コペンハーゲン市内にオープンしたホテル「STAY」は、港湾事業の衰退によって廃墟化してしまった、延べ床面積約2万㎡の産業ビルをコンバージョン(用途変更)し、ホテルに再生させました。

その外観は、ガラスを多用した近代的な建物でありながら、近接する川や港の風景とも調和しており、室内はモノトーン調のシックな雰囲気を演出しています。またこのホテルは、アパートメントタイプのホテルとして様々な用途で使用されており、観光やビジネスのほか、長期滞在時のオフィスとしても利用されているのだそうです。




 最後に公園を紹介します。コペンハーゲン市北部のノアブロ地区にある公園「Superkilen」は、まるで街の1ブロック全体で文化祭を催しているような芸術的デザインと街並みになっており、これまで数々の建築賞を受賞している公園です。( http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/column/20141027/681389/ )

実はこのノアブロ地区は、ヒッピーや左翼系アジトの拠点にもなるほど非行化が進んだエリアでした。第二次大戦後のデンマークでは、工業化の推進や少子化対策として、外国から労働移民を多く受け入れることを国策として行ってきました。そしてその多くの人々がこのエリアに住むようになり、スラム化してしまったのです。

 その状況を改善すべく、数々の政策プロジェクトを推し進め、芸術的にも人道的にも価値の高い公園を創り上げるまでに至ったのです。その全体像は、南国情緒と遊び心あふれる「レッドスクエア」、コンクリート製のチェスボードや自転車遊走道、噴水など憩いと交流を感じられる「ブラックエリア」、ピクニックやサイクリングなどレクリエーションテイストを演出した「グリーンパーク」となっていて、遊び・憩い・自然が融合した公園です。

 ぜひ訪れて見たいと思うのは筆者だけではないでしょう。


 
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2015
04.23

老朽化マンション

Category: ニュース

 日経アーキテクチュア2014年6月20日の記事「改正マンション建て替え円滑化法成立、12月施行へ」によると、2014年6月18日に「マンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律」(改正マンション建て替え円滑化法)が成立し、同年12月をめどに施行されることになりました。

 旧法では、マンションなどの区分所有建物において、老朽化などの理由により解体して跡地を売却する場合には、居住者の全会一致が決議要件でしたが、改正法により5分の4の決議に緩和されることになったのです。



老朽化マンション 
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 国土交通省の推計によると、老朽化の位置付けにあるマンションは全国的に増えており、新築から30年以上が経過したマンションの戸数は2014年で140万戸もあるのです。これが5年後の2019年には200万戸、20年後の2034年には466万戸と、2014年時点と比較すると3倍以上にもなると想定されています。

 今回の改正は、老朽化に伴う耐震性への対応を焦点としており、大規模修繕を行っても根本的な耐震不足を解消できないマンションが対象になるとのことです。




 ただ、築30年超のマンションとなると、新築からの居住者は高齢化しているでしょうから、建て替えに必要な建築費や、解体売却に掛かる購入・引越し費用などを捻出するのは容易ではないでしょう。

 反対する人には転居の支援金が支払われることが盛り込まれるようですが、それでも高齢の所有者に「環境変化に対応する資金」と「環境変化への対応力」が追いつかないという批判が予想され、法改正が即、建て替え促進につながるかどうかは不透明と言えます。




 ネガティブな面だけ触れてきましたが、もちろんメリットもあります。マンション供給の出始めは圧倒的に都市中心部が多く、老朽化による解体・売却が進めば、一等地に新規のマンションや商業施設だけでなく、教育施設や公共施設なども供給できます。また老朽化した建物は、築40年~50年超のものもあり、予想される大地震による被害を考えれば、法整備は安全な街形成への小さな一歩とも言えます。




 2014年第187回臨時国会では、「空家等対策の推進に関する特別措置法案」、「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律案(リベンジポルノ防止法)」などが成立しました。

 これらは治安や世情を反映した、私達一般庶民に関係する法律です。今回取り上げた「改正マンション建て替え円滑化法」も、私達の生活に直結した法律です。今後マンションを取り巻く環境は、さらに変化していくでしょう。その変化とともに、法律も成長して行くことを期待します。


 
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2015
04.22

進化するリノベーション

Category: ニュース
 
 日経BP社発行ケンプラッツ2014年11月18日の記事「戸建て住宅のリノベ再販にグランプリ」によると、全国380社のリノベーション住宅推進協議会加盟企業の作品の中から、2014年を代表するリノベーション作品を選出する「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2014」に、買い取り再販業者が施工したリノベーション住宅が選ばれました。

 「買い取り再販」とは、中古の一戸建て住宅を事業者(おもに不動産業者)が買い取り、大規模改修後に消費者へ販売する事業形態です。リノベーション事業は当初、現在の住まいをリフォームする一環としてスタートしたものですが、この買い取り再販に見られるように、その業態も多岐に渡るようになりました。



進化するリノベーション 
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 愛知県のとある大規模リノベーションを施した築30年賃貸マンションのケースを紹介します。その室内は、「床は無垢材の一枚板、壁は白地の珪藻土、棚やカウンターには天然の木材」という、自然素材がふんだんに取り入れられた内装に一新されました。( http://www.reform-online.jp/news/reform-shop/5534.php )

 以前は空室が目立っていたその建物は、自然素材リノベーション完了後に家賃を9万5000円に改定して募集を開始したところ、なんと空室8戸の入居が立て続けに決まってしまったのです。近隣の家賃相場が同等の1LDKタイプで8万円だそうですから、自然素材リノベの効果が絶大であったことがわかります。




 神奈川県横浜市のとある築50年の2棟の建物のケースでは、もともと社宅・社員寮だった設計を逆利用して「賃貸マンション」に大規模リノベーションを行いました。この建物では、寮ならではの大きな厨房を共用のオープンキッチンに変更し、食堂だった場所を開放的なダイニング空間へと様変わりさせ、リビング・ダイニング・キッチンが共用という社員寮のデメリットを、「シェアスペース」にすることにより、逆にメリットへと変えました。( http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/knp/column/20141009/679616/ )

 そう、この元社宅・寮は、「シェア型賃貸マンション」に生まれ変わったのです。他にも廊下などのデッドスペースを改修して、「プロジェクターのあるラウンジ」や「シアタールーム」、「畳敷きのオープンスペース」や「目的フリーのワークスペース」などのエンタメ&リラックス空間も設けられました。

 冬には、入居者同士が畳敷きのオープンスペースで鍋を囲む姿が見られるのだそうです。また、社宅にはオープンテラスや小さな菜園もあって、入居者の方々が季節のいろいろな野菜を育て収穫しています。




 リノベーションの語源である「イノベーション(innovation)」には、『「新結合」とか「新しい切り口」、「新しい活用法」の創造』という意味があるそうですが、なんとなく「シェア」に通じるものが感じられます。








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2015
04.21

景観が不動産におよぼすもの

Category: ニュース

 日本経済新聞web版2014年1月14日の記事「建築、新旧同居が粋(今ニッポン流)」によると、明治から昭和初期の歴史的建造物と最新鋭の高層建築を融合させ、日本的な景観を残しつつ最新鋭の構造を兼ね備えた建築コンセプトが、東京を中心に広がっています。



景観が不動産におよぼすもの 
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 2013年春、銀座(東京都中央区)に建て替えられた「歌舞伎座」では、その建て替え計画の課題として、「背後にはひときわ目立つ29階建てのオフィスビルがそびえ、桃山調の歌舞伎座とどう合わせるか」に頭を悩ませたそうです。それでも高層タワーにした理由は、歌舞伎の興行を維持するためには、賃貸収入を見込める建物がどうしても必要だったとのことです。

 また、以前は老朽化に伴い頻繁に雨漏りしていたそうですが、シンボルとも言える唐破風の屋根の風情を残しながら、最先端の防水技術を施して問題を解消しました。海外からの多くの観光客が訪れることもあり、新生歌舞伎座を見たあるアメリカ人観光客は、「ビューティフル!ビル街の真ん中にいきなり神社ができたみたい。とても日本的で面白いわね」と感嘆の声を上げていました。




 景観を生かそうとする考え方の視点を変え、「眺望」をコンセプトにした不動産がちょっとした話題となっています。東京都渋谷区代々木の某賃貸マンションは、明治神宮の豊かな杜と隣接しており、自宅の庭のごとく、窓からその壮大な杜を「借景」できるステイタスビューを売りにしています。築年数は43年を経過していますが、これこそは「立地・眺望・交通便良」の物件と言えるでしょう。




 宮城県仙台市太白区の某分譲マンションの場合は、約14,000平方メートルにもおよぶ遺跡の発掘跡地兼博物館が南側に隣接していて、将来に渡り日当たりを遮ることがなく、杜の都の眺望を心おきなく満喫できる環境となっています。このような遺跡に隣接する立地は全国的にも珍しく、築後9年経過しても中古で売りに出ることはほとんどなく、出ても「瞬決」なのだそうです。




 オフィスでも同様の考え方を形にした事例があります。大阪市都島区の某オフィスビルでは、なんと大阪城の天守閣が室内から一望できるのです。それは景色の一部としてではなく、大阪城の全景が大きな窓に映し出された感があるほどの眺めになっています。設計者は依頼主の「大阪城天守閣の眺望を最大限取り込む」という要望を満たすべく、数々の障害を乗り越え完成させました。




 不動産の価値は「客観的な評価」で判断されてきましたが、「主観的要素」である景観や眺望も「そこにしかない価値」として取り込んでいくべきなのでしょう。


 
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2015
04.20

社内交差点

Category: ニュース

 日本経済新聞web版2014年10月20日の記事「遊び心あるフリースペース 雑談風会議で職場に活気」によると、オフィスにリラックスできる空間として、遊び心のあるフリースペースを設ける企業が増えています。

 効率重視の環境で息苦しくなってしまったオフィスに、「一見非効率にも思える休憩場所のようだが、あくまでそこは仕事場所」という空間を設けることで、不足しがちな社内のコミュニケーションを向上させ、風通しの良いオフィスにする工夫が施されています。



社内交差点 
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 大手食品会社E社は、打ち合わせスペースを子会社などのグループ全体で共有する「ラウンジ」のスタイルをとり、日常は関わることの少ないグループ会社同士の情報交換や、共同事業のミーティングの場として活用されています。その空間はまるでカフェのようで、打ち合わせだけでなく、昼時にはランチ用のスペースに変身するそうです。




 陶磁器メーカーA社のケースは、オフィス入口付近の広い空間にテーブルを多数配置したところ、社員同士の交流が増えたことはもちろん、新規の人材採用件数が増えたのだそうです。空間を社員のために利用し、コミュニケーションを向上させようという企業姿勢が、学生や中途入社を希望する人達の好感度を上げたのだそうです。




 また、大手飲料メーカーK社は、フロアのど真ん中に自由に使える「Tsudoi(つどい)」と称する70~80人が収容できるスペースを設け、代わりに「閉鎖的で、実は生産性が低い」と不評だった会議室を3割減らしました。

 そのTsudoiでは一見サボる社員が出てくるのではないかと思いきや、自由とは言ってもそこは社内。社員がいきいき仕事している姿を別の社員が見ることで、活気が伝染することにつながったのだそうです。




 オフィス家具を扱うS社では、2013年から従来の四角いテーブルを減らし、丸型テーブルのバリエーションを増やしたところ、徐々に注文が増えははじめ、2014年6月時点で前年数を上回る注文が寄せられたとの事です。

 これは、前述したフリースペースには角型よりも丸型の方がそのコンセプトにマッチするからということで、今後さらに丸型のバリエーションを増やして行くとのことです。




 「人が集まれば、情報も集まる」、「三人寄れば文殊の知恵」、集まる場所、寄れる場所があると、新しい化学反応が生まれるのでしょう。


 
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2015
04.17

日本が誇る世界遺産

Category: ニュース

 日本経済新聞2014年7月21日の記事「富岡製糸場の来場者、過去最多 4カ月弱で昨年度超え」によると、富岡製糸場が世界遺産に登録されて以降来場者数が急増し、わずか4ヶ月足らずで昨年の来場者数を上回って過去最高を更新し、現在もその状況が続いているとの事です。



日本が誇る世界遺産 
画像提供 富岡市・富岡製糸場



 世界遺産登録は、観光事業発展に寄与するだけでなく、地域の商業施設など不動産価値の上昇にもつながります。ここ数年、日本国内の名所や文化が世界遺産に登録されていることに加え、アベノミクスによる景気回復、円安の進行、東京オリンピック招致決定などの景気牽引要因から、台湾や香港、シンガポールなど、東アジア各国の富裕層が、日本の観光名所の不動産に購買意欲を加速させ、価格上昇の一因となっています。




 世界遺産はもちろん「古い」「珍しい」だけで登録される訳ではありません。日本の名所・旧跡が世界遺産に登録されるに至ったのには、「日本独自の施工技術」が文化的・技術的に優れたものと認めらた側面もあるのです。




 富岡製糸場にある様々な建物の設計に携わったのは、フランス人のオーギュスト・バスティアンという人で、その建築の特徴は「木骨レンガ造」という工法です。これは木材で構造(柱や梁)を組み、その間に空いた壁部分にレンガを積んで埋めていくという工法です。

 単純なレンガ造りにしなかった理由は、地震国日本ではレンガ積みだけでは問題があると判断し、揺れにも強い「木造軸組工法」を併用しました。この木骨レンガ造の壁は、レンガという西洋由来の材料を使用しながら、「木造軸組工法」という日本の伝統技法をミックスした「ハイブリット方式の工法」ということだったのです。

 ちなみに、木造軸組工法はあの世界遺産「法隆寺」の建築工法であり、築後1300年経過してなおその耐久性の高さを誇示しています。現在でも、住宅はもちろん、集合住宅や店舗の工法として、最近では自然素材を利用しようという観点から、小中学校の校舎や小児専門病院などの公共施設でも採用されています。




 他にも京都清水寺の舞台を支える「地獄止めによる懸造り」の構造、沖縄グスク遺産群の石造建造物など、日本の世界遺産は、その過酷な気象条件に耐え、芸術的にも優れた、世界に類を見ない「技術遺産」とも言えるのです。




 最後に「軍艦島」を紹介します。軍艦島には、1916年に建てられた日本最古の「鉄筋コンクリート造のアパート」が存在していました。その施工は困難を極め、鉄筋には炭鉱で使用したワイヤーロープの廃材が使用され、セメントと一緒に貝殻を混入させるなど、現在では考えられないような試行錯誤を重ねて建てられた建築物なのです。物資・技術の不足を、知恵で補おうとする日本人の気質が表れている、我が国自慢の「世界遺産」と言えるでしょう。


 
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2015
04.16

深刻な職人不足

Category: ニュース

 日本経済新聞web版2014年8月19日の記事「深刻な職人不足 待遇見直しのラストチャンス 建設人材危機」によると、建設・土木業界における職人不足が深刻化しているため、建設コストが押し上げられ、工事が着手できなかったり、前に進まない事態が続出しています。



深刻な職人不足 
(イメージ画像)



 住宅新築工事と旧居の解体工事を某住宅メーカーと契約したAさんのケースでは「着手金を支払ったのに、解体工事の目途さえ全く立たない状態」だそうで、片や住宅新築工事を契約したBさんは「新築工事が中断した翌日に業者が破産していた」という始末です。両方とも人手不足で職人の手配がつかないことが原因となっており、実害が一般消費者にまで及び始めています。




 全国各地の消費生活センターに寄せられる住宅の新築やリフォーム工事に関する相談のなかで、人材不足による工事中止や遅延のトラブルが、2013年以降増加していると報告されています。 寄せられた相談件数は2009年度で605件でしたが、東日本大震災発生後の11年度には2倍以上の1245件に増加しました。

 翌年12年度の件数は若干減少したものの、13年度は1564件まで増加し、14年度も10月20日時点で781件と、昨年同時期の603件と比べて既に約30%も増加しており、2~3月の入転居時期を考慮すると、過去最高の件数を上回る状況となっています。




 首都圏のオフィスビル新築工事を手掛ける大手建設会社でも同様の事態が発生しており、同社の現場担当者は、「毎週、毎月のスパンで施工単価が上がり続けていて、正確な見積もりを出すのは至難の業。契約金額、工期を守るのは不可能。」と、なかば開き直るありさまです。

 テナント募集を担った不動産会社も、「完成時期がわからなければ、テナント様に迷惑を掛けることになる。募集さえできない。」と頭を抱えています。




 これらの問題の背景には、東日本大震災の復興工事や東京五輪関連工事、加えて2014年夏の豪雨被害に伴う建設・土木職の需要増がおもな要因に挙げられ、災害、国策事業が優先される観点から、今すぐ職人不足の改善が見込める状況には無く、工事の中断、遅延トラブルは今後ますます増えていくことが予想されます。




 しかし、別な見方をすると、長年抑えられてきた職人コスト(給料)がこれらの需要増から上昇に転じており、「施工」「創造」を目指す若い人達には、適正な対価で現場経験を体得できるまたとないチャンスと考えることもできます。昔と違い、現在は最新の技法で建物、道路、橋などが施工されており、その専門技法がいまなら目前で学べるわけですから。




 長く低迷していた景気にやや持ち直し感が見られます。減らされ続けてきた職人が、これから必要とされ、なくてはならない尊敬される存在になれば、職人不足も少しずつ解消していくのかも知れません。


 
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